先日、全国で緊急事態宣言の解除が発表されましたが、第2波の可能性、東京アラートなど依然として先行きが見えない状況にあります。
行政各所にもかなり影響がでており、市役所や法務局でも手続きの処理に通常の倍ほどの時間をようしているところもあるようです。
こんな状況ではありますが、相続のお手続きについて悩まれている方、相談したくてもなかなか今のような状況では難しいと思われる方など、数多くいらっしゃると思います。本日は、そんな方たちに向けて相続のお手続き、その中でも相続登記に関してお話したいと思います。
相続登記とは、亡くなられた方が所有する不動産の名義を相続人の方に変更する手続きのことをいます。法務局という役所に申請書と必要な書類を添付し、手続きの完了をもって名義変更が終了し、新しい所有者(相続人)に新たな権利証が発行されます。
相続登記を行うためには、遺産をどのように分けるか決まっていないと行うことができません。この分け方ですが、遺言書がある場合は遺言の内容に基づいて行い、ない場合は法定相続人全員で話し合って決める必要があります。
どちらの場合でも、重要なのは財産を「誰に」「何を」「どうのように」わけるかという点です。「誰に」というのは法定相続の中の誰が財産を相続するのか。「何を」というのは相続する財産は不動産、預貯金、有価証券など、どんなものなのか。「どのように」というのは全ての財産なのか、割合で分けるのか、不動産は長男、預貯金は二男などのようにどういった形で相続人に残すのか。
「誰に」の部分を確定させるために、被相続人(亡くなられた方)の戸籍謄本(出生~死亡まで)、相続人の戸籍謄本を収集し、相続人の情報の根拠とします。遺言書や遺産分割協議書に記載されている相続人が本当に被相続人と親族なのか、協議書に相続人全員が記載されているかなどを法務局に対して示す必要があるからです。
「何を」の部分は、不動産であれば不動産の全部事項証明書(登記簿)や固定資産税の評価証明書を取得することによって相続財産を調べます。
相続登記に必要なものを簡単にではありますが、下記にまとめて記載しておきます。
- 登記申請書
- 添付書類
・戸籍謄本、住民票の除票
・遺言書or遺産分割協議書
・相続関係説明図
・印鑑証明書(作成後3か月以内のものであることを要しません。)
・相続人の住民票
・固定資産税の評価証明書 - 登録免許税 固定資産評価額の0.4%(通常は収入印紙で納付)
※評価額1000万円の不動産の場合は、4万円が登録免許税
相続登記は必要な書類さえ揃っていまえばそこまで難しい手続きではありません。ただ、その書類を集めるまでが大変であり、時間もそれなりにかかります。特に戸籍謄本の収集で苦戦される方が数多くいらっしゃいます。また、冒頭でもお話しましたが、コロナウイルスによる影響のため、法務局による登記申請の処理期間の遅延だけでなく、戸籍の請求先である市役所等でも処理に時間がかかっているようです。相続登記の手続きには期限がありません。しかし、いざ相続財産である不動産を売却しようと思われたとき、長年相続登記していなかった不動産の名義を変えようと決心されたときなどに、思っていた以上にそれが進まないかもしれません。
なかなかこんなご時世なので難しいとは思いますが、少しでも相続のお手続きに関してやらなくてはと思われている方は、コロナウイルスが収束してからではなく、思いたった際にご相談いただけたらと思います。弊社では、相続のご相談について電話はもちろん、メールやラインでも対応させていただいております。どうぞお気軽にご連絡ください。