こんにちは。ひかり司法書士法人の岡島です。ハウツー 家族信託の第2回となります。
今回は前回ご説明した大まかな流れのなかの
①面談・ヒアリング、②プランの提案について詳しくお話していきます。
信託相談の面談・ヒアリング
まず、信託に関する簡単なご説明を致します。聞きなれないワードも多いですし、全て説明しその場で全てご理解頂くのは難しいので、大枠を掴んでもらうことが目的です。「委託者」「受託者」「受益者」の役割を中心にご説明し、「信託」によって何ができるのかをお話します。
また、信託契約を設計する上で必要な情報をお聞きします。まずは保有資産の概要、家族関係、本人及び家族のご希望をお聞きし、信託によってどんなことがしたいのか、何を望まれているのかを把握致します。もしかするとこの最初の段階で、遺言や生前贈与、任意後見を合わせて考えておかれた方がよいケースもありますし、逆に信託を設定せずともそれらの方法でご希望がかなう場合もあります。ですので、どんな方法がいいのか当てはめる前に、相談者の現在の状況や家族関係を踏まえて、広くお考えをお聞きします。
お話をお聞きするなかで、今回のご相談の核となる目的が見えてきます。老後の財産管理、あるいは円満な財産処分、資産承継、相続税対策など何を望まれ何をゴールにされたいのか。
それが分かれば、類似する信託の事例をご紹介させて頂いたり、信託契約を設定した場合のメリットやデメリットをご説明できたりします。そして相談者の方にあったプランの提案に進んでいけるのです。
※捕捉
信託検討時に用意して頂きたい資料
- 不動産の登記事項証明書
- 固定資産税課税明細書
- 委託者の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、身分証のコピー
- 受託者の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書、身分証のコピー
プランの提案、費用感や期間のご説明
ひとくちに家族信託といっても、その中身は以下のように様々です。
- 資産の確実な二次承継・移転
- 残された配偶者の居住・生活資金を確保
- 自身の判断能力低下に備え、家族の生活が安定するようにしたい
- 遺産分割協議をせずに相続手続を素早く簡単にしたい。
- 成年後見制度も利用しつつ、家族のためにも財産が活用できるようにしたい。
- 自社株、先祖からの不動産を維持し、議決権行使を円滑にし、今後の相続による家産・事業承継、分散を避けるとともに、他の相続人の生活を安定させたい。
面談・ヒアリングでお聞きした情報を基に、ご要望にそった最適なプランを検討させていただきます。また、かかってくる費用や期間なども大まかにご説明します。もちろん、プランによって大きく変わるので、正確な金額をご提示するわけではありません。ただ、信託を行うにはある程度のまとまったコストがかかるということをご理解頂くためです。
信託を進める上では、相談者の想いがどういったものかが重要ですが、他のご家族の理解と協力も不可欠です。なので、次回ご説明する家族での話し合いが必要となってきます。
第3回では、③家族での話し合い ④必要書類の収集に関して詳しくご説明いたします。