相続が発生したらまず何をしたらいい 改正原戸籍について
以前の記事で、戸籍の種類について書きましたが、今回はさらに深く掘り下げて「改正原戸籍」について書いてみたいと思います。改正原戸籍とは戸籍の一つの種類です。わかりやすくいうと戸籍が、魚とすると改正原戸籍は、鯉のような関係です。逆にわかりにくいでしょうか?
そもそも改正原戸籍という言葉を聞いたことがない、という人がほとんどではないでしょうか。改正原戸籍を使う場面というと、私が知る限り相続に関係する書類を集めるとき以外にはありません。相続の手続きとは人生で、1回か2回ぐらいしかありませんので、ほとんどの方はこの改正原戸籍というものを知らないことになります。
ただし、身近な人に相続が発生すると、人生で1回か2回の相続の手続きを行うために、この改正原戸籍や除籍などの聞きなれない書類を集めるのに苦労することになります。
改正原戸籍(かいせいはらこせき)は略して原戸籍(はらこせき)といったりします。改正という文字がつくことで、原戸籍が改正されたのかと思いますが、同じものを指しています。
日本には戸籍法という法律があり、この法律によって戸籍に何を書くかとか様式についてなどが記載されているのですが、この戸籍法が改正されることによって戸籍の様式が変更されると新たに戸籍が作成されます。
これはそのまま戸籍になるのですが、今まで戸籍だったものは、様式変更後は使われなくなります。でもそれまでの記録は残っているので、改正原戸籍として残しておくことになります。除籍も今まで、戸籍だったのものが、死亡・婚姻・離婚などの行為でその戸籍の中に誰もいなくなってしまうと戸籍から除籍になります。戸籍からかわるという点は同じですが、戸籍の中の人が全員いなくなったら除籍になり、改正によって変わったら改正原戸籍になるという違いがあります。
最近の戸籍法の改正は、縦書きだったものが横書きにかわりました。これも様式が変わったことになりますので、縦書きの戸籍はすべて改正原戸籍にかわっています。私の故郷、京都では、この横書きの戸籍になったのが割と最近で、平成27年頃までは、まだ縦書きの戸籍でした。
今は、横書きになっていますし、全国的にも縦書きの戸籍はほとんど見なくなりました。
余談ですが、この改正の際に、読み替えできる漢字(いわゆる正字、俗字など)をお持ちの方には役所から確認の通知(どちらの漢字を使うか)がいったそうです。「髙」と「高」とか「辺」と「邊」と「邉」などです。他にもたくさんありますが、これらの字はこだわりがある方はありますが、特にこだわらないという方もいらっしゃいます。この通知に対する回答によって「タカハシ」さん親子でも親は「高橋」さんで、子は「髙橋」さんという方もいらっしゃいます。日本の名字っておもしろいですよね。
横道にそれてしまいましたが、よく、戸籍を集めればいいのか、原戸籍を集めればいいのか、除籍を集めればいいのかわからないという方がいらっしゃいます。(ここでいう戸籍は現在戸籍ではなく、現在戸籍・原戸籍・除籍の総称という意味での戸籍です。)
戸籍を集めるときは、原戸籍を取得するとか、除籍を取得するとかいう考え方ではなくて、戸籍を集めて、結果、取得した戸籍が原戸籍だったとか、除籍だったという風に考えた方がわかりやすいです。冒頭の例で考えると、鯉(原戸籍)を取りに行くのではなく、魚(戸籍)を取りにいって取れた魚が鯉だったという風に取得していくとわかりやすいかと思います。
ですので、役所に請求するときに、戸籍か原戸籍か除籍か選ぶところがあると思います。そちらはすべてチェックして誰々に関する出生から死亡まですべてと横に追記しておけば、役所の方で、必要な分をすべて出してくれます。出てきた戸籍が、原戸籍であろうが除籍であろうが、必要なものは必要なので、あまり原戸籍がとか除籍がとかを意識せずに請求することがコツかもしれません。
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