認知症になってからでは手遅れに

こんにちは。福岡オフィスの司法書士の長澤です。

今回は認知症になった場合の怖いお話です。

 

現在日本では、平均寿命が毎年伸びていて2016年には男性は80.79歳、女性は約87.05歳になっています。

その一方で、健康寿命(日常生活に制限のない健康な期間)も伸びていますが、平均寿命との差、不健康期間は、男性が約9年間、女性が約12年間と、こちらも伸びています。(参考…平成28年度版厚生労働白書)

それに伴い認知症患者数も増加しており、65歳以上の高齢者の患者数が2012年には462万人で、高齢者の7人に1人が認知症であったものが、2025年には約700万人、5人に1人になると予想されています。(参考…内閣府 平成28年度版高齢社会白書)

認知症だけでなく、アルツハイマー・脳卒中などの患者数も含めると、判断能力が低下している人の割合はさらに多くなります。

 

このような状態になると、自分では契約その他の行為ができなくなってしまいます。

例えば、父親が認知症になってしまった場合、自己の意志で契約等をすることができなくなってしまうため、父親の代わりに誰かが代理して意思決定をしなくてはいけなくなります。

 

しかし、その妻や子供であっても、本人の代わりに契約等をすることはできません。つまり、本人名義で保険の契約や、家の売買・リフォーム、相続対策、遺産分割協議、株式の議決権行使など様々な行為ができなくなります。また、銀行の口座が凍結され預金の引き出しができなくなることもあります。

 

その場合に利用されるのが「法定後見制度」です。認知症になる前に何も対策をしていないときはこの制度が利用できます。ここで法定後見人が選ばれて、その法定後見人が認知症になった人の代理をすることになります。

 

しかし、「そういう制度があるなら認知症になっても安心!」というわけではありません。

 

法定後見では、できることが相当に限られていて、必要最低限のことしかできません。

つまり、何も対策をしないまま認知症になってしまったとなれば、相続税がかかるのがわかっているのに相続税対策ができない、家が古くなってきて建て替えをしたいのに建築ができない、というようなことが起こります。

 

この法定後見制度とは、家庭裁判所が法定後見人を選任して財産の管理を任せるものです。現在、選ばれる人の多くは司法書士・弁護士・社会福祉士などの第三者です。親族が選ばれる場合もありますが2017年時点では全体の3割以下です。大半の場合は財産を管理する人として親族でもなく、本人が頼んだわけでもない第三者が登場することになります。

そして、この法定後見人の目的は、基本的に被後見人(認知症患者等)の財産を保全すること、と言えば聞こえはいいですが、財産の使用を最低限度に制限することです。

 

「夫が認知症になって介護費用が必要になったので、夫の口座からお金を引き出そうとしたら、銀行から後見人を立てないとダメだと言われた。」

こういうことで法定後見の申立てをしてしまうと、第三者である法定後見人が夫の通帳を管理することになってしまい、何かしようとするたびに法定後見人にお伺いを立てなければいけなくなった、という話もよく聞きます。そして、基本的には、夫が亡くなるまでこの状態が続くことになります。

 

これを避けるには、任意後見制度の利用民事信託の利用などが考えられますが、これらは「認知症になる前」の意思表示ができる間にしかできないことです。

5人に1人が認知症になるという現代では、両親や配偶者がそのうちの1人になる可能性は十分にあります。他人事に思っていると法定後見しか道が残っていない、という事態になってしまいます。事前の対策が最も大切です。

不安なことや、対策を詳しく聞きたい方は、ひかり司法書士法人にご相談ください。

 

福岡オフィスは博多駅すぐ近くのJRJP博多ビルにあります。

認知症になってからでは手遅れ、というお話でした。

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