相続による名義変更とは、法務局にある不動産についての権利関係が記載されている登記記録の所有者を変更することをいいます。
不動産の所有者は相続や売買、贈与や財産分与、交換などの原因によって変わります。所有権とは概念的なものなので、例えば、売買によって売主から買主に所有権が移ったとしても、外形的には変化があるわけではないので、法務局の登記記録も勝手に変わるわけではなく、申請をしないと変わりません。
現在、名義変更の登記申請のほとんどが申請人から依頼を受けた司法書士が行っていますが、申請人自身が登記申請することももちろん可能です。
特に、相続の場合は、売買などの契約と違って相手方がいないので、現在の所有者だけで行うことができるので、より自分でやりやすい登記といえるでしょう。
相続による名義変更を自分でやろうと思ったらまずは、登記申請する管轄を調べる必要があります。
管轄は各都道府県に法務局又は地方法務局のホームページがあるので、そこで調べることができます。同じ東京都23区内であっても、東京法務局港出張所などのように出張所や支局が管轄法務局とされている場合があるので、名義変更しようとしている不動産がどこの市町村にあって、その市町村を管轄する法務局がどこかをしっかりしらべましょう。
管轄違いの法務局へ申請した場合、当然申請は却下されます。
次に必要書類を集めましょう。相続の場合、一般的には、以下の書類が必要となります。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍
- 被相続人の戸籍附票又は住民票除票
- 相続人全員の戸籍
- 相続人全員の印鑑証明書
- 相続する相続人の住民票
- 相続する不動産の固定資産税評価額がわかる書類(納税通知書や評価証明書など)
- 相続する相続人がだれかわかる書類(遺産分割協議書など)
これらの書類を集めたら、一度書類をもって、管轄法務局へ相談にいきましょう。申請書の見本などがおいてありますし、事前に電話予約すれば、30分程度申請の仕方について教えてくれます。
申請の仕方を教えてもらったら、いよいよ、法務局へ申請します。
申請といっても申請書を渡すだけで、特になにもありません。法務局によって異なりますが、番号カードなどをもらえます。登記が完了するとこの番号カードと引き換えに権利書などの完了書類をもらうことができます。
申請したら、後は、完了予定日まで待ちます。完了しても法務局から連絡があるわけではないので、念の為、完了予定日を数日過ぎてから、いきましょう。もし法務局から連絡があった場合には、訂正依頼などあまりいいことではありません。
無事に完了していると、法務局の受付で権利書をもらうことができます。登記事項証明書はもらえないので、その時、一緒に登記事項証明書を請求して名義がちゃんと変わっているか確認しましょう。
このように、相続の名義変更は相続人が一人だったり、遺産分割協議書が作成されていたりすると、一人だけですることができます。
法務局が近かったり、平日に動ける方はご自身でやってみるのもいいかもしれません。
ただし、間違いがあったりすると、法務局へ訂正しに行く必要がありますので時間や手間はかかります。
面倒なことはすべて任せたいという方はぜひ、ひかり相続手続きサポーターへ相談ください。
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