不動産登記記録の起源について

みなさん、こんにちは。測量部の吉村です。

今回は、不動産登記制度と不動産登記記録のあらましについて簡単に紹介したいと思います。

不動産登記記録(表題部)サンプル↓↓
不動産登記記録(表題部)

 

現在の不動産登記記録における『表題部』の起源は、今から約120年程前に整備された土地台帳というものにさかのぼります。

土地台帳サンプル↓↓
土地台帳サンプル

土地台帳が整備された一番の目的は、『租税』(いわゆる税金)の為ですが、それまで農民は税金を『年貢』(農作物)によって物納しておりました。しかし、農作物による物納では飢饉等(天候等によって農作物が不作となる事)により、安定した税収が得られませんでした。そこで、土地の価格を決めその地価の3%を税金として国民に納めさせる事としたのが、地租改正事業です。現在、法務局に備え付けられている土地の位置関係や形状を示した『公図』の基となる土地台帳附属地図という図面も、土地台帳とあわせて当時作成されました。

土地台帳附属地図サンプル↓↓
土地台帳附属地図サンプル

租税の為の資料(土地台帳や土地台帳附属地図)が整備されていく事と同時に、明示32年、不動産登記法が制定されました。当時の登記簿は、主に担保権を設定する為のものだったものです。

明治時代の登記簿(サンプル)↓↓
明治時代の登記簿(サンプル)

担保権とは、抵当権や質権のように不動産を担保にして金銭を得る権利の事です。担保権の為に登記制度が発達し、所有権や賃借権、地上権等の物権へと発達していきました。当初の登記簿とは、現在の登記記録でいうところの権利部的な役割を担っていました。

このように当初別々であったもの(管轄の役所が違っていた)が不動産登記法の変遷を経て、法務局にて一括して管理されるようになり、現在の不動産登記記録のような構成となったのです。

不動産登記制度は欧米諸国でも実施されており、不動産が貴重な財産であるという事は共通認識のようです。私達は不動産登記手続きにかかるプロフェッショナルとして、皆様の貴重な財産を保全するお手伝いをしております。

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