遺言のすすめ ~その2 こんな場合も遺言できるの?~

民法では、遺言を出来る年齢を満15歳以上と定めており、人の最終意思を尊重するという観点から、意思能力、つまり「物事に対する一応の判断能力」があれば遺言をすることが出来るとしています。下記では、遺言者の意思や判断能力に特別な事情のある場合の遺言を取り上げてみます。

(1)死亡の危急に迫った人による遺言

疾病その他の事由で死亡の危急に迫った人が遺言をするには、証人3人以上の立会いを得て、その証人の1人に遺言の内容を口授したものを証人が筆記し、その書面に証人が署名、捺印する必要があります。この遺言は、遺言の日から20日以内に裁判所の確認を得なければ効力を生じませんし、遺言者が普通方式による遺言を出来るようになってから6ヶ月間生存するときは失効します。

(2)成年被後見人による遺言

成年被後見人でも、事理を弁識する能力を一時回復した時には、医師2人以上の立会があれば遺言をすることが出来ます。しかし、後見人が、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹以外の場合、後見人に対する遺言やその配偶者、直系卑属の利益となる遺言をしたときには、その遺言は無効になるという制限があります。

(3)字が書けない人・外出困難な人による遺言

字が書けない人は自筆証書遺言をすることは出来ませんが、それ以外の公正証書遺言と秘密証書遺言をすることは出来ます。秘密証書遺言は署名さえ出来れば、内容は代筆やワープロで作成したものでもかまいませんし、公正証書遺言では、公証人が遺言者により署名を出来ない事由を付記して署名に代えることができます。また、口が利けない人や耳が聞こえない人が公正証書遺言をする場合には、公証人への口授に代えて、通訳人による通訳や筆談でもできますし、その他公証人による読み聞かせや閲覧による方法もあります。外出が困難な場合には、公証人に出張してもらうことも出来ます。

ひかりの相続サポートなら様々な相続問題を解決できます

スタッフ写真

相続の無料相談

土日祝対応

メールで相続の相談・お問い合わせ

copyright© ひかり相続手続きサポーター all rights reserved.