不動産を購入するときに夫婦共有名義でとか親子共有名義でする場合というのは結構あると思います。
不動産に限らずですが、所有権を一人で持っているときは単有といい、二人以上で共同して所有している場合は共有といいます。
不動産でも二人以上で買った場合には共有所有ということになるので、登記するときにも共有名義で登記をする必要があります。
この場合、一人で登記する単有の場合とどこが変わってくるかといいますと、共有の場合には共有持分が登記事項になるので、共有している人たちがその一個の所有権に対してどれくらいの割合を所有しているかを登記する必要があるのです。
共有というとなんとなく半分ずつ持っているというイメージがあるのか、持分についてどうするかを聞いた際に2分の1ずつとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
しかし、不動産を購入するときの持分をなにも考えずに決めてしまうとあとで大変なことになってしまうことがあります。
といいますのもいざ登記が完了し、引っ越しも済んでから数か月して税務署から贈与税がかかる旨の文書が届く可能性があるからです。
これは例えば3000万円の土地を夫婦共同名義で持分を2分の1ずつで購入するとします。
その購入資金を確保するため銀行から融資をフルローンで夫が受けるとします。そうすると完了した後の登記には、夫婦2分の1ずつの共有登記と夫の債務者とする抵当権の登記がされます。これを税務署が見たときに、夫のお金ですべて購入しているのに妻に2分の1の所有権があるということで2分の1については贈与があったとみなし、その部分について贈与税を掛けてくるのです。税務署からの通知が来た時にわかってももう贈与税を逃れることはできません。
上記は極端な例ですが、基本的に共有持分は出資した金銭の割合に応じて登記をしないと後々贈与税がかかることになりますので、よく考えた上で決めてください。