こんにちは
ひかり土地家屋調査士法人の道中です。
今回は、土地を測量する際に使用する『トータルステーション』と呼ばれる機器について、お話したいと思います。
一般的に土地を測量するには、角度と距離を計測し、そのデータが必要となりますが、それを計測するための機器が『トータルステーション』と呼ばれるものです。たまに街中で作業着を着て、三脚の上に機械を載せて覗いている人たちを見かけることがないでしょうか。すべてではありませんが、その三脚の上に載せている機械がトータルステーションと呼ばれるものです。
トータルステーションは、設置しているポイントから土地の高低差や斜距離が測れ、ある方向からの角度が測定できます。
さらに詳しく説明しますと、
- 分度器つきの望遠鏡のことをトランシットといいます。
- トランシットに距離を測る機能をつけたものを光波といいます。
- 光波に測量ソフトを組み込んだものをトータルステーションと呼びます。
また、トータルステーションは会社で設計図上での距離を計算し、現場に赴きポイントを測り出す作業が出来ます。
どういった場合にこの作業が行われるかと言いますと、道路と敷地境界のポイントの管理及び工事後のポイントの復元を復元して欲しいような場合などです。工事などを行っていると、一度埋設した現場での境界標が取れてしまい、どこかわからなくなってしまう場合がよくあります。そのような場合に、トータルステーションに座標を記憶させておけば何度でもポイントを復元することが出来ます。(逆打ちの作業と呼ばれます。)
トータルステーションを使用する場合にはしっかりとポイントに正確に据付なければより精度の高い測量は出来ません。
私自身、上司から気をつけるように教えられたことのなかで、次の3つのポイントがあります。
- 高さ
高さに関しては三脚の足を伸ばして作業しやすい高さに調整し、全体的にバランスよく安定するように設置することです。 - 整準
整準に関しては傾いている機器を水平にし、整準ねじで微調整を行います。整準ねじを動かせば機器の傾きが変わってしまいます。又、正確な水平を検知する気泡管が設置されていますがこれを見ながら気泡管が中心にくるように調整することが求められます。 - 求心
求心に関してはトータルステーションの中心を鋲(測点)の鉛直線上に正確に合わせていくことが必要です。
今となっては、気泡管の調整に関して最初は慣れるまでに時間がかかり、先輩によく怒られたことを思い出します。上記の作業を慎重に行い、しっかり固定する事によって精度の高い測量が可能となります。
また、トータルステーションを設置する場所に関して、通常は通行人や通行車等の邪魔にならないように選定しますが、どうしても道の中央や通行の妨げになる場所を選定しなければならない時があります。そんな時は急いで作業を行い、結構気を使いながら作業を行います。たまに通行人の鞄や、手などがトータルステーションに触れたりすると最初から設置し直ししなければならず大変ですが、再度慎重に設置して測量作業を行います。
我々はいろんな現場でいろんな場面に出くわしますが常に精度の高い測量を目指して作業を行っています。いろんな経験を積むことによって更に精度の高い仕事が出来ると考えており、いい測量が出来た時にはやはりこの仕事をやっていて良かったと感じることができます。