死因贈与とは贈与者を死を条件として生前に贈与者と受贈者との間で贈与の契約を交わすことです。よくにた効力をもつものに遺贈があります。遺贈とは簡単に言えば遺言書によって受遺者に贈与することですので、死因贈与も遺贈も贈与という点では一緒です。また贈与者の死によって効力が発生する点でも同じですが異なる点もあります。
ひとつめは、死因贈与は贈与契約に条件をつけたものなので、贈与者の申込みの意思表示と受贈者の承諾の意思表示の合致が必要になってきます。これに対して遺贈は単独行為なので、受贈者の意思は問題にはならず、贈与者の意思だけですることが出来ます。
ふたつめは死因贈与は口約束でも成立するのに対して、遺贈は遺言の規定が適用されるため要式行為となり民法に定められた様式の遺言書が作成されなければなりません。
最後に贈与の撤回についてです。遺贈は単独行為なので、生きている間は自由に撤回することが可能ですが、死因贈与は相手がいる契約なので、撤回が制限される場合があります。